アラフォーのヘッポコピーライターが自らの失敗談で綴る、自戒と猛省の広告コラム


プレゼンは中身が10割

アラフォーのヘッポコピーライターが自らの失敗談で綴る、自戒と猛省の広告コラム。


第36回 <プレゼンは中身が10割>

 明日のプレゼン出席者リストをお送りします

ライバルの広告代理店H堂とのコンペを明日に控えた午前2時。営業のBからメールがきた。リストを見るとやけに長い。ヤな予感がしたので数えてみた。ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ…じゅぅ…じゅぅろく…16人だと…!?多すぎだろ!!参勤交代か!?オマエなんか松の廊下で切られてしまえ!

電通のプレゼンは良くも悪くも出席人数の多さで有名です。上は役員や局長から下はペーペーの新入社員までとかく大勢で押し寄せたがる。しかし実際に話すのはその中のたった2〜3名。残りの人は一体何をしているかというとただ座ってるだけ。笠地蔵のように何も言わずじーっと座っている。端から見るとまるで借金の取り立てに事務所全員で押し掛けた闇金業者のよう。もしもこいつらの案を不採用にしたら…ワンボックスカーで拉致られて筑波山に埋められちゃうかも…、目の前の相手にそう思われても不思議はない無言のプレッシャーがそこには存在します。でも大切なクライアント様を心底ビビり上がらせてどーするつもり!?

なぜそんなに大勢で押し掛けたがるのか、本当に営業に聞いてみました。

「こちらの本気度を示すため」
「気合いを見せたいから」
「プレゼンは数で勝負!」
「みんなもやってるから」
「特に理由はない」
「なんとなく」
「誰でもよかった」

うーん、なんだかなぁ…。。。大人数で押し掛けてコンペに勝てるなら苦労はしません。「みんなで行ってよかったぁ♪」なんてプレゼン一度も経験ないし、クライアントだって迷惑です。イスが足りなくて他の会議室から持ってこなきゃいけないし、お茶を出すのだって大変だし、名刺交換にも時間がかかる。いちばんの問題は大勢を前にすると人は自由な意見が言いにくいこと。普通の神経の持ち主であれば、やけに威圧感のある笠地蔵に質問はしづらい。局長なんて会社でこそエラい人ですが、何も言わず座ってるだけならクライアントからみれば「オマエだれやねん」感ハンパないただのオッサンです。当然、自由闊達な意見交換など生まれるはずもなく、不完全燃焼のままプレゼンは終了。後に残るのは「コイツだれやねん」な名刺の山。まったくもって紙と時間のムダではないか。

 人間は、考えるという真の労働を避けるためなら何でもする

というエジソンの名言があります。自分では考えない(考える能力のない)人に限って、人を集めたがる。とりあえず社内のキーマンを会議室に集めればどうにかしてくれると思っている(事実、僕はそうハッキリ言われたことがあります)。理論上は人数が多いほどいい知恵も多く集まる、はず。確かに一理ある。但しそれは工場や研究機関などミスが許されない場合の話。「人間は間違える生き物だ」という前提に立ち、ネガティブチェックを幾重にも行うことで、人間はミスを根絶することができる。しかしこと創造性に関する場合、人の多さは百害あって一利なし。人が増えるほどアイデアは磨り減り、角が取れて丸まった、誰のこころにも刺さらない凡庸なものになってしまうのです。


プレゼンはもちろん、チームも少人数に限ります、絶対。パッと打合せできるし、意見も言いやすい。何より責任感が芽生える。大人数だとどうしても他人任せにしがちですが、少人数では自分が何とかするしかない。そのプレッシャーこそアイデアを強くする最大の味方。案を徹底的に考え尽くせば、中身に自信が生まれる。中身を大切にするから、伝え方にも工夫を凝らす。その繰り返しがアイデアを太く鋭く研ぎ澄まし、みんなのこころを串刺しにする。そこまで本気で考えて初めて「本気度」は伝わる。プレゼンの頭数を揃えたり、パワポで見映え(だけ)のいい資料を作ったり、見た目や伝え方をどんなに取りつくろっても到底敵わない凄みがそこにはあるのです。

人も案も、見た目にこだわりすぎるほど中身がカラッポに見える。もしもあなたが提案を受ける側なら、今すぐプレゼンの出席人数を絞ることをオススメします。本当に自分のことを考えてくれる人が誰なのか、すぐにわかると思いますよ。

※ 本コラムの内容は全て個人的な発言であり、所属する組織や団体とは一切関係ありません。むしろ早く関係して発言できる身分になりたいものです。


佐藤理人(さとうみちひと)
電通 第4CRP局 コピーライター。
マーケティング、営業を経て、2006年より現職。
東京コピーライターズクラブ会員。
受賞歴:TCC新人賞、ACC銅賞など。

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