寄稿 ドロ舟日本の行方


10年短期プラン

質問 これから一体どんな世の中になるのか想像がつきません。将来のことを考えると、漠然とした不安を強く感じます。何かをしなければと思うのですが、どうしたら良いのか分りません。ぜひアドバイスをお願いします。(32才、会社員)



■薄い灰色?

中世のように社会の変化がゆっくりな時代ではないので、「どんな世の中になるか簡単に想像できる」と言えば眉唾に聞こえてしまう。
1989年に天安門事件で民主化を求める学生を武力弾圧した中国がその後目覚しい経済発展を遂げ、近隣諸国を圧迫することになることを予見していた識者はほぼ皆無だ。その中国が国際社会に復帰することを手助けした日本の政財界も、現在の緊迫する日中関係を見越していたとは思えない(もし分かってやっていたら、たいした妖怪たちといえるのかもしれないが)。

そのちょっと後の1991年のソ連崩壊にしても、そのほんの数年前までは米中冷戦による核戦争の危機が世界中で真剣に危惧されていた。名だたる日本の大企業にはソ連と商取引を拡大して、苦境に立たされたところも少なくない。
もちろん、土地取引の総量規制と金利の引き上げで日本の土地・不動産バブルを潰した政府・日銀が“バブル退治の英雄”から“日本衰退の原因を作った張本人”になるまでに、それほど長い時間はかからなかった。もちろん、大きな賭けが当たって同時期に巨万の富を得た人たちもいるだろうが、2000年のITバブルで再び性懲りもなく株で大損し、2005年頃には不動産投資にまたまた乗り出し、リーマンショックで撃沈した輩の方が多数派だ。
加えて、環境破壊と地球温暖化が急速に進行中で、世界中の生物の絶滅スピードは恐竜絶命期よりも早いらしい。中国の大気汚染物質が大雨や大雪の原因になっていることも分かっているが、北京での対策が“汚染物質を街中の風の流れを良くして吹き飛ばす”ことなので、根本的な状況の改善は絶望的だ。金融面でも日米欧中で無責任に通貨供給を増やしているし、イザとなったらお金を刷って銀行の不良債権をチャラにするという“伝家の宝刀”もかなり使い込んで“一般家庭の包丁”ぐらいになってきた。凡人よりもはるかにIQが高いはずの経済学者も各国のお役人も、将来どんな事態になるかは想像もつかない中で日々の仕事を淡々とこなしているのが実情のようだ。

天下国家を論ずるまでもなく、身近なところでも、例えば明日カラスのフンが貴方の頭上に降ってくるかもしれないし、スズメバチの大群に出くわす不運もありえないことではない。自分に落ち度がなくても暴走車の交通事故に巻き込まれることは確率の問題ともいえるし、新型インフルエンザやSARSなどの大流行のリスクはすぐそこにある。
つまり、先のことはいままでも分らなかったし、これからも分らない。お先真っ暗とも限らないが、限られた資源を巡って国家間の分捕りあいはますます激しくなり、人類の生存環境は平均して厳しくなるから、五里霧中で真っ白というより「将来は薄い灰色」なのかもしれない。


■それでも10年は短い、プランを考えて有益に

かつて『ノストラダムスの大予言』というフィクションが日本で大流行し、「1999年7の月、人類は滅亡する」という予言を信じ込んでいっさいの努力をやめてしまった人もいたし、本気で信じて自己実現的にテロ事件を引き起こしたグループもあった。今でも「一生懸命努力したって人生に大した差はない」、「お金がうなるようにあっても不幸な人は多い」と人生に悲観して数十年無為に過ごす人もいるようだ


とはいえ、何かの目標を立ててそれに向かって努力するなら10代や20代の方にとっては10年はかなり長く、何をするにも十分な時間がある。ところが30代以降になると、10年は体感的には“あっと言う間”だから「短期」と呼んでもいいかもしれない。質問者さんは既に31才とのことだから、これからの10年はそう長くない。日々電車に揺られ、あるいは渋滞の車中で時間を過ごし、日々の仕事に追われ、土日にゴルフや釣りでもしていれば10年はすぐに過ぎる。だから、その10年で何かをやろうという目標を立てないとあまりに時間がもったいない。なにせ“短い”から、欲張って「あれも、これも」は難しい。自分を人並みと思うなら「ロシア語をマスターする」とか「投資でxxx万円儲ける」という程度の一つか二つに絞るべきだ(もちろん人並み以上のガッツに自信があるなら、いくつも目標を立てて頑張ることを止める理由はない)。

10年プランのヒントとして活かすかどうかは貴方次第だが、下記のように、既にスケジュールが決まっていたり、現在の人口動態、政治状況や自然科学的な統計分析によって予想されていたりすることもある。少なくとも起業や投資を考えるならこれらはかなり役立つはずだ。


◎スケジュールが概ね決まっていること
・2015年春 北陸新幹線が金沢まで開通
・2015年10月 消費税再増税で10%に
・2016年夏 おそらく衆参同時選挙
・2016年11月 米国大統領選挙
・2018年 マイナンバーが金融取引に導入される
・2018年 自民党総裁選挙で新総裁誕生(誰?)
・2020年夏 東京オリンピック開催
・2027年頃 リニア中央新幹線開通

◎10年や20年といった時間軸ならかなりの確率で起きそうなこと
・日本がTPPに加盟する
・これからも世界のどこかで巨大バブルが繰り返し発生し、崩壊する
・日本、韓国、中国で少子高齢化がさらに進む
・首都圏で直下型大地震が起きる
・東海・東南海・南海大地震が起きる
・日本の消費税が20%を超え、年金支給は75歳ぐらいからになる
・日本の家庭でペットと家事ロボットの重要性が増す
・先進国の軍事力の主力がドローン(無人機や自動操縦車両、ロボット)になる
・水素自動車と電気自動車が次世代自動車の覇権を争うことになる

◎確率は分からないが、いつ起きても不思議ではないこと
・富士山が噴火する
・中国共産党の一党独裁が終焉する
・朝鮮半島で動乱が起き、北が中国の自治区になるか、統一朝鮮が米韓同盟を破棄する
・日本の近隣国の原子力発電所で大事故が起きる
・米国とイランが国交を回復する

(念のため付言すると、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではない。)


土居雅紹 (どいまさつぐ)氏
土居雅紹 (どいまさつぐ)氏
eワラント証券株式会社
チーフ・オペレーティング・オフィサー
CFA協会認定証券アナリスト(CFA)

著書:勝ち抜け!サバイバル投資術バブルで儲け、暴落から身を守る 土居雅紹/著
【内容紹介】 中国バブル崩壊、米国発世界恐慌……ミッションは生き残り。日本と世界のこれから、次のバブルの見つけ方、グローバル経済時代の攻めと守りの最善手を説く。
出版社 :実業之日本社

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