寄稿 ドロ舟日本の行方


ドロ舟日本の行方 グローバリゼーションと日本のこれから

土居雅紹 (どいまさつぐ)氏
土居雅紹 (どいまさつぐ)氏
eワラント証券株式会社
チーフ・オペレーティング・オフィサー
CFA協会認定証券アナリスト(CFA)

「グローバリゼーションで世界は豊かになったのか」と聞くと、「いいことなんて何もない」と答える人も多いと思う。少なくとも日本では。アメリカやヨーロッパでも多くの方は同じ感想を持っているだろう。
 一方、数十年前に中国やインドを旅行したことがあれば、全く違う印象を持つはずだ。「段違いに豊かになった」と。実際私が20年ほど前に見た中国やインド、ロシアは貧しかった。サービスも悪かったし、先進国とはなんでも相当な開きがあって、正直別世界だった。
 今は、皆さんもご存知の通り。もちろん、取り残された人々も居るが、それとて格段に少なくとも物質面では豊かになった。


つまり、グローバリゼーションとは、世界レベルでの富の平準化なのである。もちろん、一部の大資本家のように、これを上手く利用して儲けた人たちもいる。しかし、大きな流れでみれば、先進国の庶民は平均して貧しくなり、新興国の庶民は平均して豊かになった。


 日本はどうすべきだったのか。前川レポートや骨太の改革に謳ったとおりに行財政改革を進め、少子化対策を採り、地方分権を進めて活性化させ、高齢者の引退促進型年金政策を取りやめるべきだった、ということは間違いない。ただ、仮にそれを行ったとしても、グローバリゼーションの流れの中で、日本は相対的に伸び悩み、新興国の人々は豊かになったはずだ。中国やインド、東南アジア、中南米の国々の、世界の人口の大部分を占める人々の、豊かになりたいという熱気を、先に豊かになった者たちのエゴで押し止めることはできないし、その権利があるはずもない。つまり、グローバリゼーションは歴史の必然であり、これからもその流れは変わらないだろう。


 しかし、残念ながら中国やインドの人たちが、現在、欧米や日本の人々が謳歌している大量消費社会を堪能できるだけの資源は地球上には存在しない。では、どうなるか、最も楽観的なシナリオでも極度の物価高で多くの人々の生活が貧しくなる。特に先進国の。
 悪いシナリオなら、生活水準が下がるだけではなく、資源をめぐる国家間の武力衝突が頻発し、異常気象による全世界的な食料不足、各国での暴動・政情不安ということが予想される。つまり、生存の安全まで脅かされるようになるのだ。


 では、我々はドロ舟日本に乗ったまま、グローバル化する世界で漂い、生活は貧しくなり、怯えながら過ごすしかないのか?
 もちろん、我々日本国民が国の将来を真剣に考えて選挙に行き、まともな政策を支持するなら、大国に伍していけるかもしれない。ただ、残念ながら、その可能性はますます低くなっているようだ。このままなら、どの経済ブロックに属することもできずに雇用は減り続け、老人重視の政策が続いて国の借金が膨れ上がり、企業や若年層へのしわ寄せ増税・社会保険料増額が続き、10年先にはギリシャかスペインのようになっているだろう。


 太平洋戦争末期に、日本の敗戦を予想してその先の復興を準備していた方々の努力が、相当復興に役立ったと聞く。ドロ舟が沈みかけてもこの国の国民であり続けるなら、今何ができるか、これから何をすべきか、5分でも10分でも考えてみて欲しい。そして、社会のために動き出すもよし、外国で働いてみるもよし、外国株やコモディティに投資して日本の富をちょっとでも守るもよし。何もしないで先送りする以外なら、何でも良い。まず、やってみようではないか。


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