不動産投資評論家の不動たたみです。不動産投資は、物件を買って貸すことだけとは限りません。自分が“今”住んでいる物件を最大限活用して利回り数%を得ることも、立派な不動産投資なのです。その前に不動産投資に関してのうんちくを少し。
少し専門的な話をしますと、不動産投資には利回りというものがあります。1000万円の物件を、月10万円、年間120万円で貸し出すと、表面利回り12%です。ここに、固定資産税がだいたい17万程度かかるため、120万-17万円=103万円。管理費などがかからない一戸建ての場合だと、実質利回り10.3%と計算できます。(※注:固定資産税は地域によって算定の元となる評価額と実際の不動産売買金額に乖離があるため、金額が必ず17万にはなりませんが、その辺りは考慮せず)
1000万円の現金で物件を買った場合、月10万円の家賃でやっと借り手を見つけ1年住んでもらって103万円の利益です。この場合、1000万円を回収するためには最低でも10年かかります。しかも、10年後に1000万円で買った物件が1000万円で売れるとは限りません。高くなる場合もあれば、安くなってしまう事もあります。そもそも、入ってくれる人を見つけなければ、毎年17万円の赤字で利回りマイナス1.7%になってしまうのです。
ここで自販機の登場です。清涼飲料自販機の全国普及台数は約215万台で、自販金額は約1兆8千954億円だそうです。(※一般社団法人日本自動販売機工業会資料引用 2011年)
1台当りの販売金額の全国平均は年間で約88万3千円。月間だと約73,500円(100円売価で735本平均)になりますね。
私の経験上、住宅街などの自販機はこんな本数で売れることはないのですが、仮に上記の統計の通りだとしてシミュレーションしてみます。手数料が15%と25%で試算します。
手数料15%の場合
月間平均売上73,500円×手数料収益15%=11,025円
-2,500円(電気代)=最終利益8,525円
×12ヶ月=年間利益 102,300円
手数料25%の場合
月間平均売上73,500円×手数料収益25%=18,375円
-2,500円(電気代)=最終利益15,875円
×12ヶ月=年間利益 190,500円
以上より、統計上平均的な売り上げを自販機1台があげるとすれば、年間10~20万円を稼いでくれます。スペースさえ許せば2台3台と置くこともできます。その場合、売れ行きは倍にはなりませんが、月700本も売れるような場所なら、2台で1.5倍程度にはなります。よって、仮に2台設置したなら、年間15~30万円の最終利益が、労せずただ設置するだけで残ります。
1000万円の物件に自販機を設置して、年間15~30万円の最終利益が賃料収入以外に別途出たなら、年間1.5~3%の収益アップになりますね。
自販機を設置した後にしなければならない作業としては、周りに放置される空き缶をたまに捨てることが月数回ある程度でしょう。基本的には自販機のリース業者が清掃もしてくれますが、自分で片付けたとしても年換算でトータル1時間にも満たないはずです。すなわち、時給15~30万と考えることもできます。
最近は、都内で利回り3%に届かない不動産投資物件も多くなってきました。平均的な売り上げがあるような場所に自販機を設置して年間15~30万円の収益であれば、大変有意義な不動産投資法です。不動産の購入を検討されている方なら、自販機を設置できる余地があるか否か…それを考えながら選ぶだけで、リスクが数%変動することがあるのです。
次回は、そんな自販機投資の究極の方法をお伝えしちゃいます。