「医者の言うことは聞いておけ」by Dr.ホッピー


肝臓人間だぁ?"酒"飲みをダマす新手にご注意

これはひどい、肝臓水解物ドリンク

友人が持ってきた小瓶(写真)を見て怒り心頭なのじゃ!話を聞くと、近頃薬局でよく薦められるのが肝臓水解物を添加したお酒を飲んでも安心ドリンク。どうやらおいらと飲むってことで毎度の深酒に備え一本買ってみたとのこと。


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おいおい、拙者との付き合い何年ですか?まぁ半分ネタなんだろうけれども、彼が買ってくるということは、その何倍もの人が被害にあっているということの裏付けなのかもしれないぞ。これはいかんということで今回は市販されている肝臓水解物ドリンクの“肝臓水解物”について話をしてゆくことにした。

まずはおさらいじゃが、これまで数多くのマヤカシ健康食品に対して警鐘を鳴らしてきた。特に酒飲みのウコン神話は痛い話でウコンは肝機能に作用するなんてのはまったくのウソと心得るべし。

具体的に肝臓でやっている肝機能とは何かといえば、
(1)アルブミンというタンパク質を合成する。
(2)コリンエステラーゼという酵素を合成する。
(3)血液凝固因子を合成する。
(4)アンモニアなどの有毒物質の解毒。
(5)コレステロールを合成する。


値段表

これらが主だった仕事で、他にも細かな仕事をワンサカやってくれている。アルコールの代謝も、もちろん“肝機能”の中のひとつじゃ。ウコンはこれらの肝機能のどこに改善作用があるんじゃ?おいらにはさっぱりわからんしそれに関する効果を検証した論文も、お目にかかったことがないというわけだ。Dr.ホッピーFacebookには丁寧にも書いておいたが、とにかく肝機能に対してウコンは何の効果のないのじゃな。そういうことをさんざん言い続けてきた。
その甲斐あってかヒステリックなウコンプロパガンダのトーンが多少なりとも静かになってきたのではないだろうか?と思っておったら今度は肝臓水解物ときましたか…。
まさかこんなもんで本格的に一般ピーポーをだましにかかるとはなぁ…、製薬会社のクサレ外道どもをどなたか成敗してくださらんか。


はい、ここで読者の皆様に伺いたい。

たとえば、心筋障害・心筋梗塞など心臓の機能に障害がある人は、ハツ(心臓)を食えば心臓がよくなるとお思いか?たとえば、大腸疾患・クローン病の人ならばシロやテッチャン(シマチョウ)を食ったら何かしら大腸の病状が改善されると考えられますか?ああもう、耳が聞こえなきゃミミガー食いますか?足を怪我したら豚足かい?
んなわけねーべ。でもね、そういう次元のことをいっておるのだよ、ここの製薬会社は。この商品の広告を見てみると、誤解を皆にせしむるように大きな声でいっているのです。

その昔、人は肝臓の病に対して何も対策が打てない時代があった。その時浮かんだアイデアの一つに、だったら肝臓食えば?って大雑把な発想があり、出来上がったクスリに“プロへパール”という肝臓水解物があった。


横浜の八重桜

しかし今は医学が進化し、“医者”ならそんなもん誰も使ってねーよ!という理解に至っておるのです。もし処方する医者がいたらそいつは間違いなくヤブ。即座に病院を変えたほうがよろしかろう。兎にも角にもこんなもんをほっておく厚生労働省の問題も大きい。いったい製薬会社とどんなつながりがあるのか?と勘ぐってしまう。


で、売り手の彼らがギャーギャー効能を垂れておる肝臓水解物って何ってことなのだが、牛や豚など哺動物の肝臓に消化酵素を加えて水に溶かしたもののことなのだ。え?焼肉屋のレバーを焼かずに水に溶かして云々・・・と同じかって?そうそう、そういうことでほぼOK。で、この商品を飲んだからと言って何ら副作用などの危険があるわけではない。それだけに安全だからガンガン飲ませて儲けましょうってことなんだろうな


ホタルイカの天ぷら

逆に本当に効くクスリだったらやばくてここまで勧められない。効くクスリにはそれなりにリスクもあるってこった。
冷静になってロジカルに考えればわかるはずなのだが、誰でもサクサク買えるコンビニに、ドカドカ並べてCMでやれ買えそら買え!なんて商品が、皆さんの体調に良くも悪くも影響なんざ出るわけがないのでございます。