「医者の言うことは聞いておけ」by Dr.ホッピー


メタボ(高血圧)で塩分制限? んじゃ、あんた熱中症に気を付けな。

今朝もTVもラジオも節電!節電!とけたたましいったらありゃしない。
オイラが思うに、エアコンのピーク時間くらいTV放送を取りやめたって誰も困らないじゃないかと思うのだが、そんな時間にも節電家電の広告を流したい企業とメディアの品格のなさが、東電の身勝手さと重なって見えて見苦しく、お蔭でさわやかさなど微塵もない一日が始まる毎日。それでも庶民はひたすら我慢して耐えるしかない。節電に対して医者としてせいぜい言えることは、熱中症に気をつけるように!くらいなものしかねェなのかなと、いささか無力感に閉口してしまう。


塩とチャックと熱中症

熱中症くらいとは言ったが、これを侮ってはいけない。何しろ毎日何百人も救急車で搬送されていて、お亡くなりになった方もいらっしゃる。メディアは「水分摂取を十分に」などとナンかの一つ覚えみたいに伝えているが、医学的には単に水分を摂取しても適切な環境と塩分、この2つが足りなければアウトなのじゃ。

熱中症の発症にはいくつかの原因が絡む。そして重症化して多臓器不全で命を落とす人もいる。アナタの「ダイジョーブ」は過信でしかないかも知れんゾ。そうならないために主な原因を指南いたそう。


Dr.ホッピー

①発汗による脱水。
高温環境というものが、体温上昇を防ぐために気化熱で体温を低下させようとする反応、すなわち“発汗”を過剰に起こさざるを得ないことが原因。水がなくなっちまえば生物は生きていけない。脱水状態では全身の臓器が悲鳴を上げ始めるコトは容易に想像できよう。だから水分補給。

多湿環境で気化熱が発生しない。よって体温が上昇しやすい。

③人体において高温環境への最も重要な適応は“発汗”である。汗の水分が蒸発することで発生する気化熱が、体表温を下げてくれるのである。すなわち”汗を蒸発させる“ことが重要なのである。

さて、寒い真冬でも洗濯物は乾く。これは気温が低くても湿度が低いので洗濯物の水分が気化しやすいから乾くのだ。一方、100℃近くの高温のサウナ内では洗濯物は乾かない。何故なら湿度100%であるが故に気温が高くても水分が蒸発できないから乾かないのだ。サウナ並みの真夏の多湿環境では発汗しても蒸発できない、すなわち気化熱が発生しないから体温が上昇しやすい。人間は36℃で全ての臓器・機能がまっとうできるようにできているので調節ができない体温上昇は死につながる。そしてさらに無効な発汗の増加で脱水の増悪をおこす。だから湿度を下げて汗を気化させやすくするためにエアコンという除湿機能を使え、節電を踏まえて“暑くない、と感ずる程度”に、となるわけなんじゃ。

④電解質の消失。特にナトリウム…。塩、じゃ。
ちなみに、塩分すなわちナトリウムがないといけない理由は何故か?動物の細胞には海水と同じ塩分のバランスが必要なのだ。オイラ達人類も肺という臓器が備わったから陸生動物になりえたわけだが、もう一つ重要なトコロがある。それは海水と同じ環境を体内で保つための調節ができる機能が備わったからじゃ。臓器としては腎臓がそれだ。海水はしょっぱい。すなわち塩、ナトリウムである。人体の60兆個の細胞は海水と同じ環境にいないと機能を発揮できなくなるというわけ。
つまり、発汗と共に失われた塩分は補給しなくてはならないのだ。塩分が汗として出てしまった体内ではナトリウム不足となっている。そんな状況なのに、脱水を補おうと単に水分だけ補充するとどうなるか。体全体が希釈性低ナトリウム血症になってしまう。ソレは海水と異なる体内環境であって、コイツが細胞の機能障害への引き金になるのじゃ。


今夜のお食事

な、たとえ屋内であっても単に窓を開けて扇風機を回しているだけでは熱中症になっちまう理由が分かったじゃろ。したがって、節電で28度の設定のエアコンを稼働させていても危険なわけで、オフィスワークのアナタであっても塩分もしっかり摂取するように。ひたいをこすった指をペロリと舐めてしょっぱかったら、汗と共に塩分が出ちまった証拠。 仕事が終わってオアシス(居酒屋)に突入したら先ずは直ちに枝豆を頼んで少し塩を振りかけて食すべし。多量に発汗していたらモツ煮込みを汁まで完食すべし。水分補給は無論、ホッピーじゃ。

…でも塩分は血圧の敵なんでは? ウム、ご安心あれ。一時的に塩分摂取を増やしてもそれは「汗と共に消失した塩分を補う」のであって、高血圧症の悪化には繋がらない。救急救命センターのドクターもそう言っておる。

さあ、オノレの体を積極的にクールダウンするための提案をば…。デスクワーク中はズボンのチャックを全開にして風通しを良くしてみたらいかがか。オイラは暑くなったな〜と思ったら開けている。開けると遠のく体の暑さを実感している。読者も実践して効果のほどを報告してくだされ。無論、女性が多い職場では、匂害の加害者にならぬようあれ。