「医者の言うことは聞いておけ」by Dr.ホッピー


世の中、咳カゼばかり?

やっほ〜、みなさんお元気?と呑気に言ってる場合ではない。東京都健康安全研究センターが公表している「花粉濃度マップ」が大変なことになっている。
昨シーズンの全花粉量相当の花粉が3月9日からの数日に固まって飛散するらしい。フクシマの放射性物質、中国からのPM2.5に黄砂、今年の春はマスクなしで出歩くのは危険か?


Dr.ホッピー

ところでマスクどんなものをつかっていますか。
細かい微粒子が体内に入るのを防ぐことが目的だけに、花粉やPM2.5などの防御対象物をしっかり遮断できる「N95」という規格のマスクを使うことをお勧めする。
この規格はアメリカの労働安全衛生研究所が定めた基準で、もともと製造現場等で粉塵を防ぐためのマスクの機能を数字化したものだ。試験粒子0.3μmの微粒子を95%以上捕集できることを意味していて、この数字での能力は微細な粒子だけでなく、病原体(ウイルス)に対してウイルスの通過をほぼ100%阻止できる。
「N95」規格のマスクであれば2.5㎛のPM2.5だけでなく、インフルエンザウイルスをも通過阻止ができるのだ。アナタのマスクは95?


長引く咳にご用心

今夜のお食事

話は変わるが、おいらたち医者は、皆さんの生命を守る為に常に最悪の状況(病気)を想定して診察をしています。その際、次のような医者と患者のすれ違いがしばしば発生してしまう。

「センセイ、風邪ひいたみたいなんですが咳が止まりません。薬下さい。」
「咳はいつから?」
「1ヶ月前くらい前からです。」
「え!それならとりあえずレントゲンとりましょか。」
「え!風邪薬と咳止めだけでいいです。」


ここでおさらいじゃが、“風邪”の医学的定義は
・ジクジク性の上気道炎
・喉、鼻、咳などの軽度の症状で4〜5日、長くて一週間で自然に治る
・症状が強くなければ投薬の必要性はない
である。

然るに1週間以上の咳は「もはや風邪にあらずと考えるべき」で、医学書の全てに3週間以上の咳嗽へは胸部レントゲンを撮れ!と書かれているのだ。にもかかわらずCMでは「咳はかぜです」と国民を洗脳し、挙句の果てには「長引く咳カゼだあに」と診断するお医者さんもいる。

実際、現在闘病中の癌や結核を患ってしまった患者さんの診断のきっかけは、長引く咳に対してレントゲンを撮るというちゃんと、いや普通に対応した医者に診てもらったことなんじゃ。 そして、問診開始早々に「レントゲン撮りましょう」と言ってしまうのは「結核が心配」だから。このニッポンで毎年2万人発症していて「過去の病気」ではなく、しかも人→人感染だから「実は結核を否定していなければ問診時に長く会話したくない」のです。ごめんなさい。

咳の症状や出方を診て癌や結核の診断ができないのかって?


スルドイご意見じゃが、そのとおり、できましぇん。重病である癌や結核ですらわからないのだ。ということで咳の状態から病名を診断するのはとても難しいのだ。 ちょくちょく問診で言われる「深い咳」とか「軽い咳」というのも同様。それだけでは何も判断できない。NO11にも書いたが、だからこそシツコイ問診を行うのだよ。 正しい診断、そして治療のために。 その辺のところ、ヨロシク!