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「医者の言うことは聞いておけ」by Dr.ホッピー
  • 「お腹の風邪だね」という医師は免許剥奪!
  • 今年もノロに感染する人が後を絶たないワケだが、いつも言っているように、メディアに登場するお偉い先生方は教授や研究者だったりで、実際にノロってしまった患者さんを診ていない。よく考えてくれたまえ。患者を診ていない人が病気を解説するなんておかしいと思わないか? 

    良い例がインフルエンザ。「いやいや、37℃台でもインフルエンザのヒトは多いので云々」と言ってくれるコメンテーターがいないから、いつまでたってもインフルは38℃以上の熱が出て…の誤解がとけない。コメンテーターのセンセイ方は検査のために鼻に綿棒突っ込んだことないだろ! 一方、「37℃台のインフルなんぞ珍しくもない」と真実に口をそろえるオイラ達みたいな最前線の医者は、毎日毎日もう勘弁してくれ~っていうくらい鼻に綿棒つっこんで37℃台のインフル患者を診断しておる。サテ、どっちの意見を信じますか?

  • Dr.ホッピー
  • 小児科の先生には当たり前のことでしょうが、子供などは吐くだけの脱水症状で便検査したらロタウイルスが検出されることがよくあるのだ。ノロも同じ。

    そして忘れもしない2年前の1月4日。K大学病院の看護師さんが前の日だけしかも1回だけ吐いたってことでオイラんとこに受診した。無論、受診日は下痢なし吐き気なし。元気そのもので出勤していいかの判断でいらした。下痢なしのロタの話を知っていたンでノロウイルスの検査をしたら陽性。

    この時期、下痢とか吐くとかの消化管症状があったら些細なものであってもノロウイルスの感染を考えろ!

    と。コメンテーターのいうところの「下痢、嘔吐、腹痛、発熱がノロウイルスの症状でぇ~」なんてのは大誤りということ。だから4つ揃ってノロ、と考えてしまうから些細であるいは単発の症状であった場合、患者さんはノロウイルスではないと判断して予防行為を行わない。しかるに感染が拡大するのは当たり前なのじゃ。

  • 実際に診ている医者にも認識が足りない
  • 今日も何人か拝見いたしました。前のセンセイから「胃腸カゼだと言われました」「おなかのカゼといわれました」と言われました、っていう患者さん。あのな、カゼって軽症の上気道炎、つまり空気の通り道の症状を持つ病気の総称、と医学的に定義されている。腹ン中に“空気の通り道”があるか? アンタ等の患者さんへの説明は医学の定義に反しているわな。流行り病ならどうして流行性腸炎、と言えないの?

    それに胃腸カゼだね、と言われたら予防を徹底しないよね。一方、先に言ったように「この時期、下痢とか吐くとかの消化管症状があったらノロウイルスかもね」と言われたら予防を考えるよね。疾病の予防を指導するのも医者の役目じゃろが? 医師免許剥奪もんじゃい! 

    ってことでオイラから言わせてもらうと、お腹のカゼって言った瞬間に「ワタシ、医学を知らないイシャです」と言っているのと同じ。 アナタの目の前のセンセイ、大丈夫ですかぁ?

  • 今夜のお食事

  • ところで、ノロって危ないの? 
  • 細菌感染症に対する抗生物質のような有効薬はありません。
    つまり医者が治せない病気ですので、「すぐに病院で受診を」と思わせるメディアのいうコトは信用してはいけまセン。昔はそれこそ「おなかのカゼ」といわれていまして、アナタご自身の免疫力で1日で自然にかなり治りマス。最近、ちゃんとした名前で報道されて有名になっちまっただけなンです。
    亡くなった方はほとんどが高齢者で吐物の誤嚥による誤嚥性肺炎と、脱水がきっかけとなった多臓器不全が原因です。然るにこの時期の嘔吐・下痢に対し、ノロったかなと思ったらどんなに下痢がひどくても飲水が何とか可能なら、外来も入院も高齢者が多い医療機関には受診しないでください。感染性が著しく高いですから。
    アナタのノロは1日で治りますが、高齢者は重症化しやすいので、下手をすると「すぐに病院で受診を」という間違ったメディア報道に誘導されたアナタが高齢者を死に至らしめる事になってしまうのです。

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