服といえば「ユニクロ」「しまむら」。日用品はドンキ・ホーテ、１００均ショップだけという人には全くわからん世界がドンドン拡がってるで。三越や伊勢丹、高島屋をはじめとするデパートで「高額品」の売上が大きな伸びを見せてるんや。どや、ビッグニュースやろ〜（笑）

「高額品」の筆頭は高級ブランド品や美術品・ジュエリー・貴金属やけど、ここ六か月連続でデパートでの売り上げが前年実績を上回ってるんや。ウソやないで！これは正真正銘ホンマの話や。東京・銀座の松屋本店なんて９月に高級ブランド売り場を２割も拡張することを決めたんや。売れてなかったらそんなことするわけないやろ？

他にもそんな話があるで。昨年末にフルモデルチェンジを行ったトヨタの高級セダン「クラウン」の受注が当初の予想を大きく超えてるんや。この車は一台５００万円くらいするんやが、発売後一カ月で約２万５０００台の受注を獲得、その後もトヨタが掲げた月間販売目標の４０００台を上回ってるんや。すごいやろっ！カネはあるところにはあるもんやで。

でも考えてみたらおかしな話でもある。カネがあるところにはあるというのは今始まったことでもないわけやし、なんでここにきてそんな動きがでるんか？という疑問はあるわな。

　それは・・・「資産効果」というやつや！

　なんのことかわからへんかいな？そうかもしれんな〜。この「資産効果」ってやつは資産のある人限定のことなんや。資産がなければカヤの外というやつなんや。そやけど、これを読んでくれている人の中には将来「資産家」になる人もいるやろうから一応説明しとくでぇ。

アチコチのニュースで目にするように今、株価がグングン上昇してる。その勢いはまるで１９８０年代のバブル期を彷彿させるくらいや。株価の指標となる「日経平均株価」は昨年１１月の８５００円近辺から、この４月には１万４０００円まで上昇したんや。
これがいかにスゴイことかわかってもらえるかな？わかれへんかな？？？例えば、あなたは８５０万円相当の株を持っていたとしてみてや・・・大金持ちではないけど小金持ちやな（笑）それが１４００万円になったちゅう話や。昨年１１月から今年の４月末までの間に一気に５５０万円も資産が増えたわけや。ほらスゴイことやろっ！？とくに何をしたわけでもないのに株を持っていたというだけでそうなったんや。

ということで、それまで以上に消費が増えることになるんや。そらそーや、知らん間に増えたカネや。「バーンと遣ったろか」ということにもなるんや（もともと小金持ちやし）。この「バーンと遣ったろか」という気持ちになることを後押ししたんが「資産効果」っていうやつや。株価が上昇して資産が増えたからそう言う気持ち（効果）が出てきたんや。だから「高額品」が売れてるんや。実に解りやすいシステムや。

けど株（資産）を持ってない人には関係のない話や。世知辛いな〜。景気回復局面では株価が上昇し「持つ者」が先に豊かになるんは昔からそうや、一部の特殊な国を除いてどこの国でもそうや（一部の特殊な国は全員が貧乏なことが多いで）。それは仕方ないことなんや。近所や友達の親にいてへんか？最近急に車を買い換えたとか、ＧＷに長期間の海外旅行に行くとか言ってる人はいてへんか？資産効果かもしれんで〜。

ちなみに、小金持ちや大金持ちはワザワザ大声で他人に「儲かった！」とは言わんもんや。何にもなかった顔して財布の中身だけパンパンちゅうわけや。これから株価がもっと上昇したらもっとパンパンや。持ってなければ何にもナシや。「格差」が縮まることはまず考えられんわな。

株式ジャーナリスト・個人投資家

天海源一郎（てんかい　げんいちろう）

有名週刊誌で発表した推奨銘柄が次々とストップ高となり、いつしか「Mr. ストップ高」と呼ばれるようになった男。個人投資家が儲けるための投資の啓蒙をライフワークとする。ラジオNIKKEIを経て2004年独立、現在に至る。著書多数、メルマガも好評。

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