電機 Kさん (43歳)
若い部下の教育のことで悩んでいます。社員として、エンジニアとして向上していくには、本人の意志が非常に大切なのですが、どうやらそれがありません。言われたことを最低限こなすだけで、創意工夫やチャレンジがないのです。大きなミスこそないものの、ただただ日々を過ごしているようにしか見えません。
研修や飲み会など、ことあるごとに「ポジティブ思考で臨め」とか「向上心が必要」と説くのですが、生返事ばかり。表面上は分かった素振りは見せるのですが、実務には伴っていません。しつこく繰り返し言うと「しかし…」とか「でも…」という言葉から、言い訳を始めます。
このままでは会社にとっても本人にとっても良くないと思います。どうしたら、ネガティブ思考の部下を前向きにできるのでしょうか。よろしくお願いします。
今、俺はジムで練習生を指導しとる。かなり厳しいことも言うが、良いところはしっかり褒める。アメとムチじゃ。お前はムチだけじゃろう。「とにかくポジティブに考えろ」……なんて、一方的に言っても無理じゃ。それじゃ下のモンは伸びんわな。
前向きに考えるには、その先にアメとなるビジョンがないといけん。その先にどんないい事があるのか思い描く、それが今の原動力になるんじゃ。40歳過ぎのお前には、まだ高度経済成長の名残で夢も見られたじゃろう。バブル景気の記憶もあったはずじゃ。でも、今の若いモンにはない。見たことのない将来のビジョンを見せてやるのは、上司であるお前の仕事なんじゃ。
ちなみに、俺はずっとネガティブ思考じゃった。自分の現状をネガティブにジャッジして、足らない部分をピックアップする。それを克服するためにあれこれ実行する。そうやって、常に最悪を想定して備えてきた。ネガティブ思考もそうそう悪くないんじゃ。
(原則として氏名等の個人情報は公開しませんので、ご安心ください)
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